受け取らないという暴力。30代で気づくべき仕事と人間関係の本質

私たちの日常には、多くの人が無意識のうちに振りまいている「ある暴力」が存在します。

振るっている本人たちはもちろん無自覚ですし、受けている側もそれが「暴力」だとは気づかず、ただ何となく嫌な気分になったり、心の距離を感じたりしています。

その正体とは、「受け取らない」という暴力なのですよ。

人からの親切や好意、ちょっとしたプレゼントなど、差し出された手を拒んでしまう人は想像以上に多いです。

謙虚であることや遠慮が美徳とされる文化は確かにあります。

しかし、行き過ぎた遠慮は、相手の心を折る鋭い刃物になりかねません。

今日は、ビジネスマンとしても人間としても非常に大切な「受け取り方」の作法について、じっくりお話ししていきますね。

差し出された好意を拒絶していませんか

私は仕事柄、少し遠出や出張に行くことがあります。

有名なご当地土産を買うほどではなくても、地元で評判の良いお店を見つけたら、

「スタッフが喜んでくれるかな」

と考えて、美味しそうなものを買って帰ることがあります。

会社に戻って配ると、反応は本当にさまざまです。

満面の笑みで「ありがとうございます。美味しそうですね」と受け取ってくれる人もいれば、

「あ、私はいいです」

と、あっさり断る人もいます。

もちろん、食べ物の好みやアレルギー、健康上の事情など、人それぞれ理由はあるでしょう。

ただ、持ち帰って後で食べられるような個包装のものであっても、頑なに受け取らない人がいるのも事実です。

差し出す側は、相手の喜ぶ顔を想像しながら、自分の時間とお金を使っています。

それを「いらない」の一言で片付けてしまうのは、相手が費やしたエネルギーを全否定する行為です。

つまり、これは立派な「暴力」なのですよ。

受け取り下手な人は仕事のチャンスも逃している

この「受け取り方」の癖は、お菓子のような小さなものだけにとどまりません。

もっと大きな仕事のチャンスや、会社からの期待さえも拒絶しているケースをよく見かけます。

以前、会社からオーダースーツの仕立券を支給されたスタッフがいました。

外見を整え、さらに活躍してほしいという期待が込められたギフトでした。

しかしその人は、

「自分にはまだ早い」

「忙しくて時間がない」

と言い続け、チケットを机の中にしまったままにしていました。

結局、有効期限が切れるまで、一度も使われることはありませんでした。

この「受け取り下手」は、仕事のデキ具合に驚くほど直結します。

仕事ができる人は、常に

「どうやったら相手が喜ぶか」

を基準に考えています。

だから、もらった瞬間にしっかり喜び、すぐ使い、感想を伝えます。

そのリアクションが、次の信頼とチャンスを生むのですね。

遠慮の裏に潜む貧乏マインド

一方で、受け取るのが下手な人は、相手の気持ちまで想像が及びません。

それどころか、心の奥では、

「借りを作りたくない」

「後で返すのが面倒だ」

といった貧乏マインドで物事を捉えています。

自分が普段、人に与えていないからこそ、与えられることに強い抵抗を感じるのですね。

受け取ることにブロックがある人は、自分の可能性を自分で狭めています。

誰かがあなたに何かを与えたいと思うのは、あなたを評価しているからです。

もっと良くなってほしいと思っているからです。

その扉を自分で閉ざしてしまっては、成長のチャンスは巡ってきませんよね。

今日からできる「受け取りの作法」

もし心当たりがあるなら、今日から意識してみてください。

人から何かをもらった時は、

「どうやったら、くれた人が喜ぶか」

を最優先に考えてリアクションするのです。

その場ですぐに中身を見る。

一口食べて感想を伝える。

すぐに使って「助かりました」と言う。

逆に、もらったものを袋のまま放置したり、机の上に出しっぱなしにするのも、実は立派な暴力ですよ。

「あなたの好意は、その程度の価値です」

と、無言で伝えているのと同じですからね。

頂いたものは、すぐ使う。

すぐ感想とお礼を伝える。

このスピード感が、相手を尊重する最大のギフトです。

お金の流れも受け取り方で決まる

実は、お金の流れも同じ仕組みで動いています。

受け取れる人のところには、さらに多くのものが巡ってきます。

受け取り上手な人は、相手を喜ばせるのが上手です。

だから、

「またこの人に何かしてあげたい」

と思われ、良い案件や情報が集まってきます。

30代は、これからより大きな責任と対価を受け取る時期です。

その器を作るためにも、日常の小さな好意を、全力で受け取る練習をしてみてください。

あなたの受け取り方が変われば、人間関係が変わり、仕事が変わり、人生が変わります。

今日から、目の前の好意を笑顔で受け取る。

そこから、40代に向けた自己改革を始めていきましょうね。

記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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